3月に娘が大学を卒業しました。
人より1年余分に大学に通ってしまい、親としては 本当に喜ばしい卒業でした。 娘はかねてから卒業式は袴を着たい希望でした。今はほとんどの方が、レンタルで袴 一式を借りられるようですが、我が家には姪からもらった、お下がりの袴があったの で、レンタルにはしませんでした。着物は、私の無地や若かりし頃に着た花柄の小紋 もあるので、それですませようと思いましたが、思いきって、娘のために着物を新調 することにしました。
娘は、どちらかというと古風なタイプ、着物にも興味があり、 大学卒業前には、着物の着付け教室に通い、自分で着物がなんとか着られるようにも なりました。 娘の成人式のときは、私の昔の振袖が気に入っていたので、買うこともなく、またレ ンタルもせず、お金をかけることがありませんでした。
そんなようなことで、大学卒 業お祝いも込めて、着物一式を作ることしました。 今どきの卒業式の袴、着物は大変派手で、着物は、大きな花柄や大胆な縦縞のストラ イプが主流ですが、古風な娘は好まず、これから先にも何度も着られることを考え て、着物は水色の江戸小紋にしました。せっかくなので、東京の伝統工芸師の方の江 戸小紋の着物を買いました。予算より高くなってしまいましたが、出来上がった着物 を見て、満足しました。 袴はえんじ、帯は浴衣用に持っていた赤色の金糸模様のはいった半幅帯、着物は水色 の江戸小紋、このままではちょっと地味すぎるので、半衿は可愛らしいピンクの桜模 様の入ったものを付けました。
卒業式当日、髪は美容室でお願いしましたが、着物は娘が自分で着たいというので、 袴は私が手伝いながら、きちんと着ることができました。 お天気は娘の卒業を祝うように晴天、風があり、寒かったですが、着物と一緒に奮発 して作ったみちゆきコートのおかげで、暖かかったようです。 卒業式で、ほとんどの女子学生が袴姿でした。やはり今どきの明るい、可愛らしい柄 のものばかり、かえって娘のような古風な袴姿は珍しく、反対に目立っていたように 感じました。思いがけずに、着物好きの娘のゼミの教授から、「これは、江戸小紋で しょ、良いものを着てるわね」と、娘の江戸小紋を褒められ、ふたりでニンマリ喜び ました。
やはり良いものは良いと。頑張って買った甲斐がありました。 大学の卒業式は、親が関わることができる最後の行事、私も頑張って地味目の色目の 訪問着を着ました。もちろん一人で着ました。 5年も通った大学、最後に安田講堂を背にして、主人と娘3人で、記念写真を撮りま した。